就活早期化
【最も大きな変化点】
10年以上新卒就活を見てきて仕組み自体は大きく変わらないですが、一番変化した点はインターンの拡大と就活の早期化です。過去からインターンという仕組みは存在しましたが、2020年頃からインターンを行う企業が増えてきたのとインターンの長期化が進んだと思います。そしてインターンと内定を結びつける動きが活発化されてきたと思います。そして景気が上向いてきて売り手市場となり採用が難しくなってきた24卒あたりからはインターンが青田刈りの手法となりつつあると感じます。これにより、就活は3年生の4月頃から始まるような早期化が促進されたと思います。尚、25卒からはインターン内定が正式に認められるとのこと。以前は3年生の最後のタイミングあたりで就活を始めていたのが10~12ヵ月くらい前倒しとなっています。但し経団連は面接6月解禁という旧来のルールを維持しているために真面目な企業は内定出しを6月まで留保しているところもあります。これにより多くの学生にとり就活期間が1年以上の長期に及ぶ状況となっていると思います。
【メリットデメリット】
インターンシップで内定を決めること自体はミスマッチを防ぐという意味からは良いと思います。過去インターン無しで入社し想像と全く異なる労働環境に馴染めず早期に退職する例が多々あったのでこれが改善されるのであれば良いことだと思います。また早期に内定先が決まり早めに安心できる人が増えてくることは良い点でしょう。しかし一方で大学が企業の予備校のような存在になってしまうことはいかがなものかとも感じます。1・2年生の2年間だけが学生として勉学を行える期間で残り半分が就業の準備期間となってしまうリスクもあるかもしれません。大学生は社会に出る前に人との関係や世界への視野を広げる重要な期間だと考えています。ビジネス界で生きるのは卒業後の40年~50年間で十分経験できるしそれが大学生の後半半分まで占めてしまうのは本当に良いことなのかと感じています。
【提案】
形骸化した経団連の定める面接解禁(4年生6月~)は見直す必要があると感じます。少なくとも4月解禁もしくは1月解禁でも良いかもしれません。そうする事により内々定が出た後の約1年間自分でテーマを見つけて有意義な時間を過ごせるようになるのではないかと思います。
社会にでると自ら生計をたて、会社・ビジネス人間関係・諸々に縛られて自由な活動ができなくなります。学生のうちに貴重な時間を有意義に過ごしてもらいたいと考えます。