経済環境の就活への影響(総裁ガチャ)
23卒の就活はほぼ終わり、24卒が本格化、25卒はインターンや早期採用等への対応を行う時期です。23卒はコロナ前のレベルにほぼ戻っていると思いますが果たしてこれから本格化する24卒生の就活環境はどうなるのか?これは4/8に新たに日銀総裁が就任して日本の金融政策に大きく左右されると考えています。91年に日銀総裁に就任した三重野総裁は金利を4⇒8%へ急上昇させてバブルが崩壊しその後10年間の就職氷河期が生まれてしまいました。今の40代~50代前半の人達は非正規等厳しい雇用状況にさらされて苦しめられました。そして2009年にはリーマンショックが発生し10~13卒くらいまでの人達も厳しい就職活動を余儀なくされました。内定式が行われる10/1の内定率(下グラフピンク線)を見ると第一希望や納得のいく企業への内定率の年ごとの変化が良くわかると思いますが、10年卒は内定率57.6%で23卒の74.1%と比較して2割近く厳しい就活環境であったことがわかります(どの年も4/1には内定率90%を超えますが、納得いかない人がかなりいたことは容易に推察できます)。話しを現在の24卒に戻しますが、4/8まで10年間総裁を務めた黒田氏はアベノミクスとして異次元の金融緩和を行い0金利政策を進め日本の景気を高めてきました。これにより下記グラフの様に内定率も急激に上昇し就活環境も良かったのがこの10年間となります(コロナ期間の21卒は14卒レベルまで低下し業種によっては苦しみましたが)。その黒田総裁が交代する。即ち現在、時代の転換点にいることを意味します。91年の三重野総裁は一気に8%まで金利を上げてバブル経済を崩壊させましたが、新総裁の金融政策はどうなるのか。これにより24卒の就活環境はかなり影響を受けるはずです。大きな政策転換を行わずグローバル経済も安定していれば(米国中国景気も変動要因)、10月には7割以上の学生が内定を保持する年になると思います。しかし政策を間違えた場合、91年や2010年の再来になる可能性もあります。就活は「景気ガチャ=総裁ガチャ」の可能性があります。4/8を挟んで日銀の政策は要注視だと思っています。