就職浪人
【東大生】
彼はこれまで一度も挫折を経験していない。今回の就活の失敗が初めての挫折。勉強はとてもでき、地元の公立の進学校からストレートで東京大学の文系に進学した。特定の志望業界を目指し当然採用されるものと信じて就活をした。彼がこれまで全て成功してきた様に。しかし人とのコミュニケーション能力があまり高くないこともあり、内定を貰うことはできなかった。会社は学問をするところではなく利益をあげるところだ。戦略企画し、モノ・サービスを作りだし、人と折衝し、売り込み、その後もフォローしお客様に満足してもらう。机に向かっているだけの世界ではないのだ。採用する側も頭が良くて勉強ができるだけの学生は採用しない。それでは儲けることができないからだ。彼の家族は今回の失敗は彼にとり良かったと話している。しかしこういうケースは相当戦略をもって取り組まないと来年も同じ失敗につながると思う。さて彼の失敗の原因は何でどういう対策をすべきですか?
一つは志望先を限定したこと。これへの対策は志望先を広げればいいと思う。もう一つはうまく人とコミュニケーションがとれないこと。これへの対策はとても難しいと思う。
【MARCH生】
彼の志望企業はメーカー。地元にたくさんある超優良メーカーで働くことを目指し、活動してきた。そのうちいくつかは最終面接や2次面接まで進んだ。しかしわずかの差で内定を貰うことができなかった。とても爽やかな学生でどこかで内定が出てもおかしくないと思っていた。運が悪く本当に相性の良い運命の会社に巡り会えなかったのだと思う。彼は保険、銀行等金融系は受けていたが、商社やサービス系は全く受けていなかった。思うにメーカーよりも商社やサービス系、その他の業界を受けていたらどこか内定が貰えていたのではと思う。途中親御さんへはそういうアドバイスをしたが志望先に最後まで加えなかった。彼の場合は志望先を広げて筆記対策や面接対策を戦略的に行えば来年はきっとうまくいくだろうと思う。
【中部地域の私大生】
愛知県のトップ私大生。志望先は愛知県を中心に専門商社を中心に受けた。タキヒョー等の繊維専門商社や岡谷鋼機等の鉄鋼専門商社を受けた。こういう商社は採用数が数人ということもありとても難しい。筆記試験やTOEICで相当高い成績でないと内定もらえない。ある意味総合商社よりも狭き門なのだ。そういったことも研究せずにやみくもに就活をしたために失敗した。早々に持ち駒がなくなりその後も数社受けたが早めに留年することを決めた。来年は戦略的に準備をして臨んで成功してほしい。
【思うこと】
共通するのは、狭い志望先で活動を行っていること。そういう活動をしてうまくヒットして内定を貰う学生もたくさんいると思う。しかし、本当に相性の合う縁のある業界、会社に出会えなかったら失敗である。学生は社会のことはわからない。だからある程度志望先を広げ、多くの人からアドバイスを貰うことが大切だ。同じ失敗をする人が少なくなってほしいと思う。それからコミュニケーション能力。この能力を上げるのは数日では無理だろう。今から訓練して面接官やOBとのコミュニケーションをうまくとれる様にする必要があると思う。しかし上記いずれのケースも早い段階で相談してもらっていれば就職浪人の道を歩まずに済んだのではないかと思う。