就活そろそろ改善してほしい
【経団連殿 現在の採用活動内容見直しに着手してください】
現在の就活・採用のやり方はとても多くの労力が必要です。その仕組み自体が学業や学生としての活動に影響を与えているということをそろそろ日本中が気がつくべきだと思います。もっとシンプルな採用活動にすれば企業、学生、大学それぞれにメリットがあると思います。
【現在の採用活動プロセス】
まずは3年生の3月に企業は新卒向け採用HPを開設し、学生はそこから興味のある企業にエントリーを行います。そしてエントリーすることで企業説明会の案内が送られ、それを受けて学生は企業説明会に応募し企業説明会に足を運び参加することになります。学生はエントリーし説明会での説明を聞いた上で入社したい企業にエントリーシート(HPからデジタルデータが中心ながらまだ一部履歴書の郵送を求めるところもあり)を送ります。企業側は送付されたエントリーシートの中から実際に会って面接したい学生を選考し、学生側にエントリーシートプロセスでの合否を連絡します(一部連絡しない企業もあり)。通過した学生にはWEBテストもしくはテストセンターでの試験(片方もしくは両方)を受験が課されます。そしてこの基礎学力確認の筆記試験を通過した学生はやっと面接のプロセスに進めます。ここまでのプロセスに15卒までは4ヶ月、16卒は5ヶ月も費やしてきたのです。17卒からはこの期間が3ヶ月(3月~5月)に短縮されます。もし経団連がここまでのプロセスをシンプル化するという指針とセットで考えているとしたら大したものだと思いますが、多分そんなことは考えておらず単純に時期だけ変更したのだろうと想像します。
【エントリー】
人によりますが、大半の学生は30社~50社以上にエントリーします。このプロセスには最低30~60分/社かかるとして15時間から50時間(丸2日睡眠時間除いてかかり切りで3日)以上かかります。3月前半はこの活動に忙殺されるのです。これがなければ就活に取られる時間も減り有意義な学生の時間が取り戻せますね。正直このプロセスは止めることが可能だと思います。後から行うエントリーシートの提出と完全に重複したプロセスだからです。
【企業説明会】
企業合同説明会は意味がないので参加しなければいいのですが、企業単独で行う企業説明会は学生は東京なら品川や新宿、大阪なら梅田、名古屋なら丸の内や名駅に毎日、毎日往復1時間半前後含め通わなければなりません。この時間と交通費は馬鹿になりません。1社往復時間含めて4時間以上かかるはずで1日に2社いくと50社行ったとして25日間費やすのです。こんなことはお願いだから、ネット上でやってほしいと声を大にして言いたい。このデジタルな時代にいつまでアナログなやり方をしているのか不思議で仕方ありません。人事もよほど暇ならいいですが、決してそんなことはないはずですね。これに気が付いた企業からHP上に企業説明ビデオを載せて興味ある学生に観てもらえばよいと思います。それを観て入社したいと思った学生はエントリーシートを提出すればいいわけで、敢えて会場に学生を連れだすのは止めてほしい。敢えて学生を会場に連れ出す意味があるとすれば、リクルーター面談につなげるためということだと思いますが、それは何か別の方法で学生を見つける方法を考えてもらいたいと思います。
【エントリーシート】
入社したい企業に対して学生は①自己履歴、②自己PRと③志望動機を記述して提出するものですが、聞きたいことはほぼ同じなのに質問の方法や字数300~600字等、企業によりばらばらで学生はこれに2時間~4時間/社を要するのが実情だと思います。適当に作成すれば1時間くらいで書けるかもしれませんが、真剣に入社したい会社にはかなりの時間を要するでしょう。50社提出したとして正味200時間(8日間、睡眠時間除けば13日)以上の時間を費やすのです。これを短時間にするためには、経団連企業中心に全て同一フォームにしたら良いと思います。③志望動機以外の①と②は1枚書けば全ての企業に同じものを使えるので大幅な時間をセーブできるでしょう。それから伝統的な企業(建設、エネルギー系)に多いのですがWEB上だけでなく手書きを郵送させる企業。WEBだけにしてあげて下さいと言いたい。締切当日に深夜までやっている郵便局を探して走る学生は大変なんですよね。それからエントリーシートを提出した学生に対してそのプロセスを通過したのかしなかったのか、これは礼儀として答えてあげるべきでしょう。良さそうな学生だけ見つけて連絡し、他の一生懸命考えて提出されたエントリーシートは廃棄するだけで良いでしょうか。それでも日本の企業なのか?とここは怒りをこめて言いたいです(笑)。徹夜して書いた真剣な学生の事を考えたことがないんでしょうね。そういう企業はお客様・株主に対しても同じスタンスだと考えてしまいますね。落ちた学生にも礼節を持って接し、連絡してあげてください。そうすれば学生もいらぬ期待を持って待ち続けることなく切り替えて次の選考に進めると思います。
【リクルーター面談】
リクルーター制度自体を否定するつもりはありませんが、10回以上もリクルーター面談をやる鉄鋼メーカーさん、大手銀行さん。せめて3回くらいで判断できないものでしょうか?時間計算しなくても明らかですが、学生の身になって考えてほしい。
【WEBテスト、テストセンター】
両方受験させる企業ありますが、どちらかにしてほしいと思います。それから、現在はこれら筆記テストは落とすための試験になっていますが、できれば基本問題にして基本学力の有無を確認できる簡単なものにしてほしい。一部の優秀な学生を除きこの準備に学生は参考書を何冊もこなさなければならないのです。
【面接】
多いと人事若手面接、人事部長面接、役員面接、トップ面接等4回以上面接するところがありますが、人事面談、役員面談の2回におさえてほしいと思います。
【まとめ】
プロセス毎に見直したほうがいい内容を書きましたが、まずは最初のエントリーのプロセスをやめ企業説明会をHP上でやるということは簡単にできるはずなので経団連から早急に指針を出して改善を促していただきたいと思います。今のハードルをいくつも設けて落とすための採用活動は買い手市場の就職氷河期にそうなっていったと理解しています、今の売り手市場の中ではやり方を見直すべき良い時期だと思います。面接開始時期に問題があるのではありません。本当の問題点気づいてほしいと思います。